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元気であんきな誇りの持てるふるさと飛騨市づくり ~人口減少時代の処方箋~

関連するSDGs目標

  • すべての人に健康と福祉を
  • 働きがいも経済成長も
  • 住み続けられるまちづくりを
  • 陸の豊かさを守ろう

概要

このプロジェクトは内閣府のこちらのページをもとに作成しているため、プロジェクトの詳細内容が更新されている内容と異なる場合がございます。自治体のご担当者の方で情報更新等ございましたらこちらのフォームよりご連絡ください
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地域再生計画の目標

【人口の現状】

飛騨市の人口は、1955年をピークに減少の一途を辿っており、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2015年の24,696人から2045年には13,585人とおよそ半減することが予測されている。人口構造としては、15歳から64歳までの生産年齢人口の減少が顕著であり、65歳以上の老年人口は2017年をピークに減少を始めているものの、75歳以上の後期高齢者は今後も増加が続き2025年にピークを迎え、2035年には老年人口が生産年齢人口を上回ることも予測されている。また世帯単位では、高齢者のみで構成する世帯が年々増加し、中でも高齢者単身世帯はここ30年間で約4倍にまで増加している。人口動態では、社会動態(転入・転出)は波があるもののほぼ横ばいで推移しているのに対し、自然動態(出生・死亡)は1988年より減少が続き、出生数は2016年に過去最少、死亡数は2017年に過去最多を記録しており、今後も益々減少幅が大きくなっていくものと予想される。なお、社会動態においては、職業上又は学業上を理由とした転出が大半を占めており、直近では職業上の理由は20歳代の女性に特に多く、学業上は高校卒業後の進学が主なものとなっている。転入元・転出先ともに隣接する高山市との異動が全体の約6割であり、県外では愛知県や東京都への転出が多くみられる。生まれ年代別に見た人口の変化では、10歳代後半で進学等によりおよそ半減し、20歳代後半には帰郷により若干の回復が見られるものの、それ以降の年代では緩やかに減少していく傾向にある。

少子化については、14歳以下の子どもの数は年々減少を続けており、2045年には2015年の半数以下になると推計されている。その要因は大きく三つ考えられ、まず、母親となる20歳代から30歳代の女性人口の減少が挙げられる。本市の2017年の合計特殊出生率は1.74と全国・県内平均を大きく上回っているものの、仮に社会動態による増減を考慮せず、2020年の合計特殊出生率が人口置換水準(人口が増減せず均衡した状態となる水準)の2.1まで急激に回復したとしても、その後の45年間で約7千人の自然減が見込まれ、それでもなお人口減少は収束しないものと予想される。二つ目の要因に未婚者の増加が挙げられる。近年は若い年代の未婚率が上昇傾向にあり、2015年には30歳代前半の男性の約半数、女性の約3割が未婚となっている。そして三つ目の要因は晩婚化・晩産化であり、2017年には女性の平均初婚年齢が30歳代に突入し、出産時の母親の平均年齢も30歳代前半に集中している。このように、本市は全国の人口減少の数十年先を進む「人口減少先進地」であるといえる。人口減少の最大の要因は、長く続いた少子化サイクルがもたらした若い女性の減少であり、出生率が向上したとしても今後数十年に渡って人口減少が止まることはなく、それは移住・定住政策による転入超過をもって補いきれるものでもない。またこうした現象は人のマインドと社会の変化による影響が大きく、このトレンドを変えるには非常に長い時間を要する。従って、人口減少を止めようとすることは不可能であり、即効性のある秘策もあり得ないことから、これを現実ものとして真正面から受け止める姿勢が重要である。

【人口減少によってもたらされる影響と今後の課題等】

人口減少は市民生活の様々な場面に大きな影響を及ぼしており、少しでもその進行を緩やかにするための「積極戦略」と、次々と現れる新たな課題に臨機応変かつ迅速に対応する「適応戦略」の両輪による施策展開が必要不可欠である。産業分野では人手不足が急速に進行し、主要産業である製造業を始め、あらゆる産業に影響を与えている。本市の独自調査では常時250人の人手不足が明らかとなっており、新たな企業の誘致から既存企業の支援に軸足を転換し、外国人技能実習生の確保・育成、企業の求人PR技術の向上に努めてきたものの、依然として製造業・建設業の人材不足が顕著である。一方で60歳以上のシニア世代の就業者は増加しており、こうした流れを捉えた就業支援に取り組んでいく必要がある。農業では、2016年度に実施した農地利用アンケートにおいて、10年後に現在の農地を耕作しない又はわからないと回答した農業者が約4割を占めており、担い手への農地等の集約とあわせ、新たな担い手の確保・育成が急務である。観光業では、2017年の観光消費額単価が全国・県平均と比較して非常に低い結果となり、その要因は宿泊施設のキャパシティや飲食の訴求力の弱さにあると考えられる。観光消費の獲得に向け、観光客等の滞在時間を延ばすとともに、魅力的な特産品を作り上げ、売り込んでいくことが重要である。一方、近年では空き家を改修したゲストハウスがインバウンド客の受け皿になりつつあることから、更なる振興を図る必要がある。

外部交流は、人口減少の進行を少しでも緩やかにし、地域に良いインパクトをもたらす存在としての移住・定住者の獲得という点で重要な取り組みとなる。移住の地として本市を選んでもらえるよう、PRの強化とともに生活面での支援策を充実させる必要がある。また近年、移住しないまでも特定の地域との関わりを持とうとする「関係人口」が注目されているが、本市は全国に先駆けて飛騨市ファンクラブ事業を展開し、多くの会員の獲得と会員相互・市民との交流を図ってきた。今後はこうした関係人口の更なる拡大を図るとともに、まちづくりに積極的に関わってもらうための仕組みの構築が必要である。医療・介護においては、2017年における県内の外来・入院患者受療率から、年齢が65歳を越えると医療を要する方が急増し、75歳以上では入院患者が大幅に増加することが明らかとなっている。また高齢者の加齢に伴う生活変化の調査によれば、約8割の方が75歳頃から徐々に生活の自立度が低下し、何らかの介護的支援が必要になるとされており、2025年には後期高齢者人口のピークを迎えることから、急激なニーズ・費用増加への対応が求められる。

社会福祉分野では、これまで相談支援体制の充実を図ってきたことにより、様々な困りごと相談の掘り起こしが進んでいる。中でも障がい者の就労や閉じこもり、将来的な困窮リスクについての相談事例が多く、困窮に陥る前のセーフティーネットの重要性が高まっている。こうした方々に対する寄り添い型の支援体制の整備に加え、専門的な知識や経験を有する支援事業所との連携、医療面からのサポートについても検討を進める必要がある。児童福祉分野では、子どもの数が減少する一方で、あらゆる産業における人手不足の影響から未満児保育の希望者が増加している。休日保育や病児・病後児保育といった多様なニーズにも対応できるよう、保育士の確保対策を図る必要がある。また2018年度に実施した子育てニーズ調査から、子育て世代が安心して遊べる場所が少ないという声も寄せられており、小さなお子さんの遊び場の整備が求められている。地域のコミュニティ活動においては、これまで地域内の助け合いで行われていた除雪作業や災害時の避難誘導、祭り行事などの実施が困難になりつつある。また消防団員の高年齢化も進み、10年前と比較して30歳代以下の団員数が約200人減少している。今後、こうした地域の自立的な活動が更に弱体化する恐れがあることから、市民全体でお互いを支えあうコミュニティの形成が重要となる。市民の健康に関しては、脳や心臓の血管に関する病気による死亡者が全体の約2割を占めている。2018年度の国民健康保険特定健診結果では、高血圧、高尿酸

値、高血糖値などの健康リスクを抱える方の割合が非常に多く、中でも高血圧は受診者の約1割が該当し県内ワースト1位となっている。高血圧の原因は主に塩分の取り過ぎによるものであり、幅広い年齢層に対し減塩習慣の定着を呼び掛ける必要がある。

学校教育においては、児童生徒数の減少により、学校規模による授業の進め方の違いや、人間関係の形成を経験する機会の減少、部活動の再編や他校との合同練習、ICT教育など新たな教育体制への対応といった様々な課題に直面している。また、子どもたちがこれからの予測困難な時代を生き抜いていくためには、自ら課題を見つけ、学び考え、何が重要であるかを主体的に判断し行動できる力を育むことが重要であり、学校のみならず地域全体による教育が求められている。社会教育活動では、各種講座受講者のほとんどが女性であることから、男性の積極的な参画を促すとともに、大人の知識欲を満たすアカデミックな内容を体系立てて学べる仕組みの構築が必要である。歴史・文化分野では、山城等の国内外に誇れる重要な文化財について、更なる発掘と活用を推進することに加え、祭りなどの伝統文化行事を後世に守り伝える取り組みが重要である。また芸術分野では、市美術館の入館者数の推移からも市民の関心度の高まりが見て取れ、市民が良質な音楽や芸術に気軽に触れることができる機会を創出するとともに、自ら芸術活動を行い、広く公開できる環境を整備することが必要である。

【今後の展望】

本市では、次々と未知の課題に直面する人口減少時代の中にあって、課題を前向きに捉え、一つ一つ丁寧に向き合い、市民の声や困り感を肌で感じながら、様々な知恵と工夫によりその解決を図るとともに、それを暮らしやすさへと転換していくことで、市民の結束力やコミュニティの力を高めていく。こうした取り組みを積み重ねていくことで、自分自身が住み慣れた環境の中で、誰もが心豊かに穏やかに過ごすことができるまちをつくることが出来る。また、こうした取り組みの一つ一つを全国にしっかり発信し、「飛騨市」の認知度を高めることが、「飛騨市に住めば何か楽しいことが起きる」、「何か楽しいことができる」という“気”を市内全域に醸成することに繋がり、本市に住み、そして関わる全ての人々が、毎日の生活を楽しく暮らすことが出来るようになると確信している。このような考えから、本市が目指す5年後のまちの将来像を「みんなが楽しく心豊かに暮らせるまち」と掲げ、下記の基本目標を設定し、SDGsの考えも取り入れ、誰一人取り残されず、互いを家族のように支え合う、人口減少先進地としての全国モデルとなるまちづくりを推進する。

・基本目標1元気な飛騨市づくり-しごとを守る-

・基本目標2あんきな飛騨市づくり-まちをつくる-

・基本目標3誇りの持てる飛騨市づくり-ひとを伸ばす-

 

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